ついに、食品安全委員会がリステリア・モノサイドゲネス(食中毒原因微生物)のリスク評価を開始しました!

 内閣府食品安全委員会は、本年2月から、食中毒原因微生物であるリステリア・モノサイドゲネスのリスク評価を開始したと発表しました。
 このリステリア・モノサイドゲネスという食中毒原因微生物については、日本においては、食中毒の統計上、食中毒の原因として報告された事例はありません。しかしながらリステリア・モノサイドゲネスに汚染されたナチュラルチーズを喫食し健康被害を起こした集団事例が1件論文として報告されています。
 ただし欧米では、リステリア・モノサイドゲネスによる食中毒が多数報告されています。アメリカでは毎年約2,500人が重症のリステリア症となり、そのうち約500人が死亡しているといわれています。最近では、昨年アメリカのコロラド州で生産されたメロンが感染源と見られるリステリア菌による集団食中毒で約13人が死亡するという事件が発生しています。
 これまで日本ではリステリア症は少ないのではないかといわれてきましたが、食品との因果関係は不明ですが、重度のリステリア症の発生が年間平均約80件と推定されています。
 また欧米に比べ日本の食品はリステリア汚染が少ないのではないかともいわれてきましたが、食品汚染の実態の確認の結果、欧米とほぼ同様の状況という報告もあります。
 このような状況で、食品安全委員会がリステリア・モノサイドゲネスのリスク評価を開始したことは非常に重要な判断だと思います。
 私は、リステリア・モノサイドゲネスの食中毒情報に今後も関心を持って情報収集してまります。